中南米の島を分断する「訳あり国境線」

文化・社会

世界地図には不自然な境界線で国が分断されているのをご存知ですか?

境界線を設けるとして、

  • 歴史的な背景による境界
  • 領土権の主張・争いによる分断

といった理由で分断され、それが各々の国家として現在に至ります。

多くの場合、広い面積の土地が分断されて境界が設けられているのですが、中には「島」を上記のような都合で分断した地域があるのです。

今回は、中南米に存在する「訳あり国境線」について紹介します。


世界の奇妙な国境線

イスパニョーラ島

カリブ海に浮かぶ島、イスパニョーラ島

面積は北海道をひとまわり小さくした程度で、カリブ海の中ではキューバ島の次に大きな島。世界で23番目に大きな島です。

島は2つの国に分かれており、東側の3分の2はドミニカ共和国、西側の3分の1はハイチとなっています。この島に居住する民族は同じですが、一つの島に2つの国家が存在します。

元アメリカ合衆国副大統領アル・ゴア氏が発表した「不都合な真実」においてこの島を取り上げ、森林が残るドミニカ共和国と森林が荒廃したハイチの様子を衛星画像で見せながら、政策によって環境までもが変わってしまうことを指摘しています。

参照:イスパニョーラ島 – Wikipedia

キューバ島

キューバの南東部に位置するグアンタナモ州に「アメリカ領」が存在します。アメリカがキューバから租借して米軍基地として利用している場所の一つです。印をつけた箇所。

ここは「グァンタナモ収容所」とも呼ばれており、アフガニスタンやイラクで拘束された人の収容所として使用されている地域です。映画で頻繁に登場する名前ですのでご存知の方も多いでしょう。

アメリカ大統領のオバマ氏が、グアンタナモの収容施設を閉鎖を公約して当選。しかし、共和党からの反対もあり頓挫。キューバとアメリカが国交を正常化させていない頃からの話です。

参照:グァンタナモ米軍基地 – Wikipedia

コロコロ島


< href="https://goo.gl/maps/o6kIY" target="_blank">地図で確認

コロコロ島はガイアナとベネズエラの2カ国によって分断された島です。

ここは、バリマ川の河口にある面積690平方kmの広大な中洲で、一見、陸続きに見えますが国境で分断された都合で島となっています。

島の上を国境線が走っていて、大部分はベネズエラ領、東側の一部はガイアナ領になっています(矢印で表示)

この地域は「エセキボ地域」と呼ばれ、石油資源が埋蔵されている地域です。そのためベネズエラとガイアナで長年にわたって領土権の対立が続いています。

参照:ガイアナ – Wikipedia

フエゴ島

フエゴ島は、南アメリカの南端部に位置するフエゴ諸島の主島です。

アルゼンチンとチリの両国によって分割され、それぞれの国から統治されています。島の最大の町は、アルゼンチン領のウシュアイア。人間が常時居住する地域として世界最南端の都市です。

先住民族「ヤーガン族」の居住が知られていますが、西欧人の入植によって混血が進み、現在では純粋なヤーガン族はほとんどいません。そのためヤーガン語が絶滅寸前の言語となっています。

参照:フエゴ島 – Wikipedia

セントマーチン島

カリブ海に浮かぶ島、セントマーチン島。

人口わずか6万7000人の小島で、北半分はフランス領、南半分はオランダ領になっています。面積はフランス領とオランダ領で5:3の割合ですが人口はほぼ半々。

島の名前も2つあります。
フランス語:サン・マルタン
オランダ語:とシント・マルテン

参照:セント・マーチン島 – Wikipedia

コメント

  1. 名無しさん より:

    気になっていたことが背景と共にまとめられていてスッキリしました。

  2. 管理人 より:

    ありがとうございます!

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