中米パナマ、黒いキリストに祈りを捧げる街ポルトベロ

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中米パナマ北部にあるコロン県、カリブ海側に面したところにポルトベロという街があります。この街には、肌が黒いキリストで有名な教会があります。

調べたら、黒いキリストとパナマの過去に深い関係性がありました。

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コロンブスに名付けられた街、ポルトベロ

ポルトベロは、パナマ北部にあるコロン県の中心的な港町です。パナマ運河で有名なパナマ地峡の北部側に位置します。

ポルトベロという地名は、15世紀にコロンブスがこの地に停泊した際に命名されました。

かつては貿易の拠点、今は世界遺産

ポルトベロ周辺には、入り組んだ地形を利用した自然港があります。

これは、かつて主要貿易港だった時代に築かれた要塞群です。スペインと新大陸を結ぶ重要な港として繁栄し、主に南米から財宝を輸送するための拠点として位置づけられていました。

今は遺跡として保存されています。これら遺跡は、近隣のサン・ロレンソ要塞とともに、1980年にユネスコの世界遺産に登録されました。

黒人系の人が多く暮らす

ポルトベロに住む人々の肌は、首都パナマシティの人々と比べて濃く、どちらかというと黒人に近い人が多いです。それは、この街が貿易の拠点であったと同時に、黒人奴隷売買の拠点でもあったことに起因します。

住民の肌の色は、今もその子孫が多く暮らしている証なのです。これこそが、キリスト像の肌が黒い理由の一つと言い伝えられています。

Cristo Negro de Portobelo

黒いキリストについて

黒いキリスト(Cristo Negro)は、街の中心部にあるサンフェリペ教会に祀られています。そして、毎年10月中旬、この黒いキリストに祈りを捧げるお祭りが開催されます。

黒いキリストに祈りを捧げると奇跡が起こると信じられており、熱心な信者の方は、お祭りに合わせて「行者の行進」と呼ばれる儀式を行い祈りを捧げます。

奇跡を呼ぶ黒いキリストと荒行に耐える信者たち

Nazareno(ナサレノ)と呼ばれる儀式では、受難者の格好をして道を歩きます。

ポルトベロで開催されるこの祭りは、他の地区で行われるものよりも荒行であることで有名です。現地ニュースの一面記事になるほどなので、インパクトは大きいです。

行進すると言っても、ただ舗装された道を歩くではなく、未舗装の道や、所々ジャングルになっているような道を裸足で這うように歩くのです。

警察部隊が800人規模で警護する一大宗教イベント

この黒いキリストへの祈りのため、毎年、多くの人がポルトベロに集結します。参加者は身を捨てるような気持ちで祈るため、けが人は続出。

例年、参加者は3万人程で、負傷者は100人程出るようです。そのうち、怪我や体長不良で搬送される人が50人程いるようです。また、このイベントのために警察が800部隊動員されます。

痛みを乗り越えてでも叶えたい願いのため、人々はポルトベロに集まるのです。

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