ペルー工科大学(UTEC)が植物の生み出すエネルギーで点灯する「植物ランプ」プロジェクトを実地。既存技術のおうようでペルー僻地に居住する人々の生活向上を目指します。
諸外国の研究結果をもとに発電装置を作成
ペルー工科大学は、これまでに発表されている諸外国での研究成果をもとに土と植物から電気を生成する装置を実現化する取り組みを行いました。これは、その紹介動画です。
植物ランプの「しくみ」
植物は養分を作り出す過程において微量の電子が発生します。この電子を電極を取り付けた装置で確保し、電気を蓄積します。これが植物ランプに必要な発電装置となるのです。
図にあるような格子状の枠に電極をセットし、そこへバッテリーを接続し充電します。このバッテリーを電源とし、LED電球に明かりを灯すのです。
ただし、材料の選抜は必須
実現化に向けた取り組みではあるものの、効率よく発電させるためには、土、植物の選抜必要です。また、植物の成長に必要な「水分」も、発電装置の機能性を左右する要素です。
まだ、研究段階の装置であるため、どんな植物や土でも効率よく集電できるわけではありません。本当に実用化に向けて動くのであれば、さらなる改良が必要そうです。
灯油ランプの利便性にはまだまだ及ばない技術
個人的な所感ですが、この装置は、LEDランプ1つを灯すためだけの装置としては複雑すぎると感じました。アイデアはとても奇抜で面白いんですけどね。
実証実験を行った場所は、インフラ整備が遅れている地域。
言葉は悪いですが、知識レベルは決して高くはありません。ですので、発電・集電を高効率で実現するための条件として、アルカリ性の土が良いとか、この植物でなければ効率が悪いと言われても、村の人たちは「ちんぷんかんぷん」だと思うんです。
環境問題や効率を無視した話ですが、この実証実験が行われた地域で普及している灯油ランプの方が安心して使い続けられる「灯り」となるのです。
開発援助的な話になりますが、新しい技術を導入する上で大切な考え方は「自助努力(自分たちの力で維持管理すること)」可能な技術を導入することです。大学研究室の独りよがりな実証実験に終わらぬことを祈ります。
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