古典文学作品をスペイン語で読んでみましょう。スペイン語に翻訳された古典文学を通して、スペイン語の「表現の奥深さ」を味わってみてはいかがでしょうか?
電子書籍として購読可能な外国文学、日本文学より8作品をピックアップしました。
ガリヴァー旅行記 – Los viajes de Gulliver
西名:Los viajes de Gulliver
原名:Gulliver’s Travels
和名:ガリヴァー旅行記
作者:ジョナサン・スウィフト
ガリヴァー旅行記は、アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトにより、仮名で執筆された小説。医師レミュエル・ガリヴァーを装い、作者スウィフトが奇妙な文化への旅行記を綴ったもの。
当時一般的だった旅行記の形式を踏襲しつつも、イギリス人の社会や慣習に批判的な視点を与える試みがなされている。具体的には、当時のイギリスとアイルランドの経済関係の風刺。イギリスが富を享受する一方で、アイルランドが極度の貧困にあえいでいたことに対する批判が盛り込まれています。
ブレーメンの音楽隊 – Los Músicos de Bremen
西名:Los Músicos de Bremen
原名:Die Bremer Stadtmusikanten
和名:ブレーメンの音楽隊
本作品は、グリム童話の物語の一編。
人間に捨てられ、あるいは食料にされようとした動物たちが一致協力して自分たちの新生活を切り開こうとブレーメンに行って音楽隊に入ろうと旅を進めていく物語。
モルグ街の殺人事件 – Los címenes de la calle morgue
西名:Los címenes de la calle morgue
英名:The Murders in the Rue Morgue
和名:モルグ街の殺人事件
作者:エドガー・アランポー
「モルグ街の殺人事件」は、1841年発表の短編推理小説。
本作品は、史上初の推理小説とされており、後の推理小説へ強い影響を残した作品の一つ。密室殺人を扱った最初の推理小説とも言われています。
物語はパリの架空の街「モルグ街」、ある日、母娘が殺害され残酷な状態で発見されます。事件現場となった部屋は密室になっており、事件は迷宮入りに。探偵オーギュスト・デュパンがこの謎を解き明かしていきます。
アッシャー家の崩壊 – La caída de la Casa Usher
西名:La caída de la Casa Usher
原名:The Fall of the House of Usher
和名:アッシャー家の崩壊
作者:エドガー・アランポー
アッシャー家の崩壊は、1839年発表の短編小説。
語り手の旧友アッシャーが妹と二人で住む屋敷に招かれ、そこで滞在する不思議な体験や出来事を描いた作品。ポーの代表的な短編で、ポーの作品を特徴づける表現が多用されているのがみどころ。
吾輩は猫である – Soy Un Gato
西名:Soy Un Gato
原名:吾輩は猫である
作者:夏目漱石
1905年発表の長編小説。
物語は、中学校の英語教師、珍野苦沙弥の家に飼われている猫「吾輩」の視点から始まる。猫の住む一家のこと、そこに集う人々の人間模様を風刺的・戯作的に描いた作品。夏目漱石の処女小説。
「吾輩は猫である、名前はまだない」の有名フレーズを綺麗にスペイン語に翻訳している。作品の最初の1行を読んで「そう翻訳してきたか!」と感動を覚える作品の一つ。
坊ちゃん – Botchan
西名:Botchan
原名:坊ちゃん
作者:夏目漱石
こちらも夏目漱石。本作は、東京の学校を卒業したばかりの江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な新任教師を描いた中編小説です。漱石が実際に教師として体験したことが作品に盛り込まれた小説としてあまりにも有名。
有名すぎるのであらすじは割愛。
草枕 – Almohada de hierba
西名:Almohada de hierba
原名:草枕
作者:夏目漱石
1906年に発表。熊本県玉名市小天温泉を舞台に「非人情」の世界を描いた作品。
春の山路を登りつめた青年画家と温泉場で才気あふれる女との出会いから物語は進んでいく。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に絵画的な世界を描いた作品。
有名な一節「智に働けば角がたつ、情に棹させば流される」がどうスペイン語で表現されているかが注目です。
羅生門 – Rashomon
西名:RASHOMON
原名:羅生門
作者:芥川龍之介
『今昔物語集』の本朝世俗部巻二十九「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を基に、内容を交える形で書かれたもの。生きるための悪という人間のエゴイズムを克明に描き出した作品。
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