Googleは8月7日に、Google Maps上での交通状況を確認できる機能の提供地域を拡大したと発表しました。新たに加わった国にパナマ、コスタリカ、コロンビアが加わっていてびっくり。
だって決して交通状況がよろしいとは言えない国なんですから。
中南米の信号機事情
中南米の交通を語る上で、特筆すべきことが一つあります。
特に中米において「信号機が極端に少ない地域が多い」のです。年々、設置箇所は増えているようですが、ちゃんと機能しているかどうかは疑問の多い信号機がたくさんあります。よく壊れているし、停電すれば機能していない。
そう、スリル満点なんです。
パナマでも都心部で、かつ大動脈と呼ばれる道路でやっと1つか2つの信号機を目にする程度です。こういった道路交通事情を抱える国で、Googleはどうやって道路交通情報を手に入れているのか気になって仕方ありません。
Googleはどうやって交通情報を取得しているのか
答えは、簡単でした。近年爆発的に普及した携帯電話から発信される位置情報を計測して、道路の混雑状況を把握しているみたいです。
Googleは、個人のAndroid端末の位置情報を利用し、ユーザーが現在地表示機能を有効にしている場合にGoogleに送られてくる位置情報と速度データを利用し、交通状況を計算している。つまり、現在地機能を有効にしているAndroidユーザー数が多いほど、正確な交通情報を提供できるということだ。
Google Mapsの渋滞情報、提供地域を大幅拡大 Androidユーザー増加で可能に – ITmedia エンタープライズ
ただし、位置情報を発信出来るような高機能端末の普及は今ひとつ
新たに道路交通情報のサービスが追加された国の一つ「パナマ」の地図を眺めていると、現時点では道路交通情報としての利用価値は皆無に近いことが伺えます。
対応していると思われる道路が部分的であり、つまり、Googleが収集出来る位置情報がそれほどそろっていないことが地図上に表示される混雑状況のラインからも明らかなのです。
パナマ人にとっては、まだまだ高価な携帯端末
低価格帯のAndroid端末が新興国市場に受け入れられていることがGoogleにとっては追い風となっているようなんですが、慌てて交通情報の提供地域拡大をしても、意義があるのかどうか懐疑的な見方をせざるを得ないこともまだまだたくさんあります。
「安い」と言っても月給平均400ドル程度のパナマ人にとっては、まだまだ高価な端末です。そのためスマートフォンの普及も発展途上にある中で、Googleが中南米に在住する人々に交通情報を提供しても利用価値が低すぎるのです。
いっそのこと犯罪防止マップでも作ってほしい
パナマ在住者の普及率が今ひとつであれば、所有率の高い外国人向けに「危険区域マップ」を作ってもらえたらなぁって思います。
例えば、在外公館が公開している危険区域マップとかをGoogle Mapで横断的に閲覧出来るようにしてもらえたら、諸外国から訪れる外国人に取ってはありがたい機能であるし、スマートフォン所有率が高い外国人には有り難いはず。
危険区域に入りそうになったらアラームで知らせてくれる機能があれば、自己防衛にも繋がるかもしれないですしね。これには、ちょっと期待したい機能です。
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