中南米で「おサイフケータイ」のサービスが始まりつつあります。
特に、ペルーでは近いうちにサービス開始が予定されており、現在着々と準備が進められているようです。まだまだ、設備投資に関する問題や端末が普及していないなど課題もたくさんあります。
それでも、ラテンアメリカで「おサイフケータイ」が現実のものとなってきたのです。
ちなみに、スペイン語では「Billetera Movil」って言いいます。
ペルーでは5月からサービス開始
ペルーの大手銀行「スコティアバンク」と携帯電話会社が計画している「おサイフケータイ」は、現在、システム導入の準備を進めており、早ければ5月からの開始となります。
ペルー国内での携帯電話契約件数は2900万件ですが、このサービスを受けられるのは、一部のスマートフォン機種に限られるようです。

エクアドルの「おサイフケータイ」に絡む利権問題
エクアドルでも「おサイフケータイ」が計画されています。大手携帯電話会社Claroと、民間銀行であるピチンチャ銀行が計画しているのです。ところが、エクアドル政府や中央銀行の思惑がからみ、「おサイフケータイ」導入を実現するには至っていない状況です。
特に、足がかりとなっているのは決済システム。このシステムを統括するエクアドル中央銀行は、システム導入に難色を示しているようなのです。
決済システムが独占的かどうか
中央銀行総裁は「我々は決済システムに反対したことはない」と語ったりする一方で、政府側はシステム導入に理解を示すだけで、具体化については何もしない状態にあるようです。
「おサイフケータイ」という新しい決済システムが、中央銀行や政府側から見ると、Claroとピチンチャ銀行の「独占」となる可能性が高いことが、懸念材料となっているのです。
利便性は高まるのか?
ペルーにしても、エクアドルにしても「おサイフケータイ」のシステム開発の話や導入に向けた具体的スケジュールの話などはメディアで伝えられているのですが、私の知る限りでは、「おサイフケータイ」導入後の利用者の利便性については具体的に語られていません。
諸外国で普及しているから、自分たちの国でも導入すれば爆発的に普及するだろう、と考えるのは中南米で良くある話。ラテンアメリカでの「おサイフケータイ」導入の失敗事例とならないことを心から祈ります。
みんなお金チャージできるのか?
っていうかラティーノのみなさんはおサイフケータイにチャージするだけの貯蓄とか収入とかあるのでしょうか。そもそもお金あんまり持っていないイメージがあるだけに、このサービスの今後の展開がとても雲行きの怪しいものに見えてきます。
追記
ツイッターで興味深いやり取りがあったので紹介しますね〜
@May_Roma @tnatsu @akasaka_moon なぜようやく中南米で電子マネーが普及したか。税金がとれないからです。商店は皆売上をごまかして法人税・消費税を納税しない。POS導入から40年の歳月をかけて税務当局・銀行が総力をあげて作り上げてきたのです。
— 木島洋嗣/外需グローバル基礎研&日本外需グローバル化研&米地方都市研&EU離脱研 (@hirokijima0318) April 30, 2012
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