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アンデス先住民が古くから呪術に用いるサボテンの流通や売買が禁止される可能性が出てきました。ボリビア警察によると、そのサボテンには幻覚作用を引き起こす物質が含まれているからなんだとか。

アンデスの先住民たちは、警察の措置に対立姿勢を崩さない構えです。ボリビアの文化を守るのか、毒性のあるサボテンの悪用を防ぐ事に重点を置くか、国の対応に注目です。

どんな儀式を行うのか


アンデス地方では、古くから神話に登場する神「パチャママ」に祈りを捧げ、体に付いた「邪気を取り払う儀式」が行われます。この儀式は、呪術道具のサボテンを使用し「パチャママと会話」します。
写真:パチャママへの祈りを捧げる儀式
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サボテンを用いて女神の声を届ける儀式


パチャママとはケチュア語やアイマラ語で「母なる大地」を意味し、アンデスの古い神話にあらわれる代表的な女神です。

儀式では、そのパチャママと会話をして我が身に取り付いた邪気を払うなどの呪術を行います。日本の儀式に例えるなら、青森県の恐山で行われている「イタコ」のような呪術です。

どんなサボテンを使うのか


450px-Starr_070320-5797_Echinopsis_pachanoiこのパチャママと会話する儀式に欠かせない呪術道具が「サボテン」です。どんなサボテンでも良いのではなく、柱サボテンの一種「サンペドロ」を使います。

このサボテンはボリビアやアルゼンチン、チリ、エクアドルなどで広く自生しており、現地の人に取ってはなじみ深い植物です。

呪術用として欠かす事の出来ないサボテン


幻覚作用を引き起こす成分が含まれているサボテンであっても、アンデス先住民にとってこの「サンペドロ」は、パチャママと会話する儀式に欠かせない道具なのです。

この儀式を行う為に、サンペドロは呪術用としてボリビア国内に流通、販売されています。

なぜサボテンの流通を禁止しようとするのか


サボテン「サンペドロ」の樹液には、幻覚作用を引き起こす成分が含まれている事が分かっています。ただ、含有量はごく微量であり、国際的な取り決めの中では、このサボテンを生産したり、流通させたりすることは禁止されておりません。

幻覚作用を起こすアルカロイドを含む


svgWikipediaによると、このサンペドロとよばれるサボテンには、幻覚剤にもなりうるアルカロイドを微量に含んでいます。

アルカロイドは一般的には麻酔薬など医療分野に用いられる化学物質ですが、ボリビア警察はこのサボテンから不法に幻覚剤を製造する恐れを危惧し、薬物規制の一環で、サンペドロの売買、流通を禁じることを検討しているのです。

サンペドロを扱う商人たちは、このサボテンの持つ「効能」について「先住民の伝承でサンペドロは、自然にたまった悪い気を払う効果がある」と説明しているようです。

サボテン規制は、コカ葉文化を守るためなのか?


cocachewing2ボリビアでは、先住民の文化的な植物利用が問題になっています。

国際的にも問題となっているのが「コカ葉」の利用です。これはエボ・モラレス大統領が先陣を切って国際社会に対して「コカ葉利用は我々の文化だ」と訴えているほど話が大きく膨らんでいる案件です。実際のところ日本を始めいくつかの国はコカ葉の利用が合法と認めない方針を打ち出しています。

こういう情勢の中で、今回サボテンの流通規制を実施しようとするボリビア政府の動きは、国際社会を意識しているように伺えます。

何かを犠牲にしないと、守れない文化


サンペドロに含まれるアルカロイドは、幻覚作用というよりは「薬効作用」として認識する方が自然であり、国際的にも生産・流通が規制されていません。それを微量ながらにも幻覚作用を引き起こす成分があるという理由で規制するのは、自分たちのコカ葉利用を認めてもらうためのパフォーマンスなのかもしれません。

何を規制し、何を守るのか。
ボリビアが検討すべき論点がずれていない事を祈るばかりです。


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